MIC ユーザー様インタビュー 広研印刷株式会社様

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CLASTOR-FSLX 導入に至った経緯や使用感、今後についておうかがいしました

広研印刷株式会社
取締役 生産副本部長 兼メディア情報本部 本部長
塚本 茂雄
メディア情報本部デジタル製版部 部長
石井 洋之
メディア情報本部メディア制作部 部長
花田 一馬

2020 年初頭、広研印刷株式会社様では、これまで利用していたファイルサーバーのリプレイスを検討していました。利用していたのはmacOS Server。便利で確実な差分バックアップやフルバックアップ、そして高速な検索機能が魅力ですが、ハードの問題などから他サーバーへの移行を模索。多彩な条件を満たすファイルサーバーとして、導入を決めたのが CLASTOR-FSLX でした。

CLASTOR-FSLX 導入の概要

RAID の保守切れをきっかけに、macOS Server で運用していたファイルサーバーのリプレイスを検討。Mac と Windowsからも利用でき、macOS で実現できていた差分バックアップも必須。さまざまな要件を満たした新たなファイルサーバーとして、CLASTOR-FSLX を導入しました。同時に社内ネットワークの高速化を行い、クリエイターに優しいファイルサーバーの構築を実現されました。

広研印刷株式会社様の会社紹介

昭和 35 年 5 月 1 日に創業した広研印刷株式会社は、東京都豊島区で出版社や広告代理店、協会団体、一般企業向けに幅広く取引をされています。お客様への安心と満足を約束し、安定した品質を提供するために、ISO9001/JapanColor/P マークなどの資格を取得。印刷では CMS に力を入れ、Japan Color で一貫した色再現を実現。制作・製版では、スクリプトを用いてヒューマンエラーの解消に尽力してきました。時代に即した「感動」をお客様に提供し続けています。
今回は CLASTOR-FSLX 導入に至った経緯や使用感、今後についておうかがいしました。

導入の経緯と決め手

~多彩な要件を満たす必要があるファイルサーバーリプレイス~

花田:2020 年になり、社内で運用していたファイルサーバーが保守切れになる、また使用するデータの肥大化による速度への不満をきっかけに、新たなファイルサーバーの選定をはじめました。

塚本:それまでファイルサーバーとして使用していた macOSServer(Yosemite)は使い勝手はよかったのですが、ときどきアクセス権に不具合が起こっていました。弊社では、MacもWindowsも両方使っています。このためWindowsサーバーでは、AFP での通信に問題があることやファイルアイコンの不具合、データそのものに悪影響を与えることなど、DTP 特有の問題があったのです。
 一方で macOS Server で実現できていたことを、そのまま実現したいという思いもありました。例えば、差分バックアップ。Mac でいう Time Machine ですね。あるファイルを「何日か前の状態に戻したい!」といったことが簡単にできるバックアップ機能で、これには多くの場面で助けられました。

石井:そのほかにも選定の条件として、EPS ファイルが壊れないことや、ディレクトリの文字数制限などの問題も抱えていました。DTP では階層が深くなりますから、パスの最大長(ディレクトリの文字数)が 255 文字などでは到底足りません。新たなファイルサーバーの候補を、いろいろと見てみましたが、Windows サーバーでは階層が増やせそうにありませんでした。

花田:もちろん新たな macOS Server に置き換えることも検討しましたが、macOS Server(Mojave)のテスト運用で不具合が連発し使用を諦めました。そこで展示会などをめぐって探しました。どんなファイルサーバーがあるのかと情報収集からはじめました。最初は、なかなか弊社の要件にあうファイルサーバーが見つからず苦労したのですが、そのなかでエムアイシー・アソシエーツ(以下、MIC)さんとお会いしたんです。実現したいことを伝えると「できるよ!」と。Mac からも Windowsからも利用でき、いうなればこれまで使っていた macOS Server が速くなって容量が増やせる上に、私たちが求めていた条件がそろっていたんです。

塚本:それと選定する際には、スペックや要件、コストや作業効率だけで判断したわけではありません。社員の身体的・心理的負担を軽減できるかといった点も考慮し、MIC さんなら大丈夫だろうと、最終的に導入を決定させていただきました。

導入と感想

~トラブルもあったものの、速度や保守対応に大満足~

花田:2020年2月に選定を開始してから4月に導入を決定。1.5カ月ほど導入期間がかかるとのことで、7 月に入れ替えを行うスケジュールで進めていましたが、この導入前の運用テストでトラブルがありました。AFPで大丈夫だと思っていたのですが、フォントファイルの容量が 0 になってしまったのです。いろいろと調査をお願いし、最終的に問題は解消してスケジュール通り、7 月に入れ替えを実施することができました。迅速に対応してもらったのでとても助かりましたね。

石井:ほかにも SMB と AFP でファイルの更新日が変わってしまうというトラブルもありましたね。これにもいろいろと相談にのっていただき、現状はファイルをローカルに落とさずサーバー上で操作することで解決しています。

塚本:実際に使いはじめたらアクセス速度が速いことも、期待通りでしたね。アクセス速度は、正直これまではストレスだったから解消されたのはよかったです。ちなみに CLASTOR-FSLXの速度を活かすために、社内ネットワークも見直しています。サーバーからすべてを 10G のネットワークにしました(クライアントは入れ替え時に変更予定)。

石井:あとはバックアップがしっかり取れることも安心できますね。バックアップは、毎日フルバックアップを夜間に行っていて、これを始業前に終わらせることも、新しいサーバーの要件のひとつでした。Time Machine のように、ファイルごとに前日のバックアップが使えています。

花田:速度が速いことや、バックアップがきちんとしているということ、さらに差分バックアップによって、いつでもファイルを切り戻せること。これらはすべて社内クリエイターが、ストレスなく、安心して仕事をしてもらうために必要な要素です。
これらが実現できて、われわれとしては本当によかったと思っています。

塚本:CLASTOR-FSLX になかった点を挙げるとすれば、macOS Server にあった Spotlight(Mac の高速検索システム)ですね。
しかし導入後、これも MIC さんが対応してくれて、検索システムを刷新してくれました。今では高速な検索を実現しています(改良していただきたい項目もありますが…)。

花田:MIC さんは、こんな機能が欲しいと相談すると、追加してくれます(笑)。それだけでなく、保守などの相談にも柔軟に対応してくれます。お願いしたことは素早く対応してくれるので、いつもつい頼ってしまいますね。

未来

~印刷業界にとって使いやすく進化した CLASTOR-FSLX、次期リプレイスも MIC に~

塚本:MIC さんは印刷業界への導入がはじめてだと聞いていました。正直にいうと、導入はギャンブルかなと思ったこともあったのですが、トラブルや問題への迅速で丁寧な対応や調査、改修作業などを目の当たりにし、今ではとても信頼しています。

花田:CLASTOR-FSLX は、弊社への導入によって印刷業界に必要な機能追加などを実現できたのではないかと思います。
CLASTOR-FSLX が、より印刷業界のみなさんにも安心して使っていただけるシステムになったのではと実感しています。

塚本:そうですね、印刷業界に導入したノウハウを活かし、例えば新たなパッケージとするのもいいかもしれません。多くの印刷業界が安心できるシステムを、ぜひ製品化していってほしいと思います。

花田:クライアント OS の変化などに伴い、ファイルサーバーは定期的にリプレイスしています。リプレイスを行うたびに、いろいろな機能向上や速度向上がありました。ですから次のリプレイスでも MIC さんには、「今以上」を期待しています。