ターゲットストレージに録画データをバックアップとして保存し、ソースストレージに障害が生じた際にターゲットストレージの録画データをリストアし、録画データの可用性を高めます。
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VMSのフェイルオーバー機能
多くのVMS(Vider Management Software)ではシステムの可用性を高めるためにフェイルオーバーという機能を備えています。VMSが備えるフェイルオーバーでは複数のサーバーを用意して通常稼働するサーバーに障害が生じた際に、そのサーバーの機能(録画、配信、その他)を別のサーバーに引き継ぎます。
VMSのフェイルオーバーを使用すれば短時間で別のサーバーに通常サーバーの機能を引き継ぐことができるので、可用性を高めることができます。
Surveillance BridgeのDisaster Recovery
Surveillance BridgeのDisaster RecoveryはVMSのフェイルオーバーのようにサーバーの機能の引継ぎではなく、録画したデータそのものを冗長化により保全し、可用性を高めるものです。
たとえば、録画データを保存しているファイルシステムやディスク自体が壊れた場合、もしくは、災害により、データセンターそのものに大きな障害が発生し、録画データそのものが壊れた場合、VMSのフェイルオーバーでは対応できません。なぜならば録画データそのものが破壊されるか、消失するからです。サーバーの機能を引き継ぐことを目的としたVMSのフェイルオーバーでは破壊、もしくは、消失したデータを元に戻すことはできません。
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Surveillance BridgeのDisaster Recoveryは前述の通り、録画データのバックアップを別の媒体(ターゲットストレージ)に保存し、ソースストレージの録画データが消失した場合に新しく用意したストレージにそのバックアップを戻す(リストア)することができます。
Disaster Recorveryのリストア
Disaster RecoveryのリストアはExtesionでの使用されているスタブ化の技術1を使用することにより、障害発生後に短時間で運用再開できるようになっています。
下図はリストアする際にSurveillance Bridgeが表示するダイアログボックスです。リストア時に以下の3つのオプションを選ぶことができます。
- No action: 新しいストレージに対してデータのインポートはしない。
- Disaster Recovery light: 新しいストレージ上にバックアップと同じフォルダー構造を作成し、スタブファイルを作成する。録画データのコピーは行わない。
- Disaster Recovery full: 新しいストレージ上にバックアップと最初に同じフォルダー構造を作成し、スタブファイルを作成する。そのあとバックアップしている録画データをターゲットストレージからソースストレージにコピーする。すべてのデータをコピーするには長い時間がかかるが、スタブファイルがあるので、録画の再生等はスムーズに行うことが可能。
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YouTube: Disaster Recoveryによる障害からの復旧
YouTube MIC Associates チャンネルで実機によるDisaster Recoveryによる障害からの復旧のデモ動画をアップロードしています。障害を起こす代わりに録画データが保存されているフォルダーをフォーマットするインパクトある動画になっています。ぜひご覧ください。
字幕を表示してご覧ください。
00:04 | 動画の概要説明 |
01:04 | 障害シミュレート前の状態説明 |
01:40 | 障害のシミュレート実施 |
02:15 | バックアップからの復旧 |
03:40 | 復旧後の動作確認 |
上記の動画内ではSurveillance Bridgeはシステム・ケイ社のSK VMSと連携して動作しています。
まとめ
Disaster Recoveryを使用すればVMSの標準機能では実現が難しい、録画データの複数拠点バックアップシステムを容易に実現可能です。
- スタブ化については「Surveillance BridgeのExtensionって何?」をご覧ください。 ↩︎